剣を使い、地球から大陸を引きはがす、とんでもない力を持っているっていうのなら。
きっと世界中の誰にも、どんな軍隊にも、わたし負けない。
だから、その力を有効利用すれば、世界は平和になるのかな?
けれども、大きな力を持って、自分勝手に突っ走ったら。
ううん。
気に入ったどっかの誰かの味方になるって決めただけで。
色々なバランスを崩して、それこそ『世界を滅ぼす覇王』になりかねない。
『誰かと戦うなんて、絶対、イヤ』
呟くわたしに、巨人が笑う。
『戦う?
あなたは、この細腕で剣を取るのか?
花のような唇で、誰かへの罵声を紡ぐのか?
そんなことは、我がさせない。
覇王よ。
あなたの力は、そんなモノではないのだから』
『どういうコト?』
戸惑うわたしに、巨人は深々とため息をついた。
『……やはり、完全に目覚めたまえ、我が主よ。
昔日(せきじつ)を忘れ、無欲では、我もこの時代に蘇ったかいもなく。
あなたの力は、あなた自身がご存じのはずだから』
『わたしを何かに変えるより、お父さんと、0さん返して……』
『それは、無理だ』
覇王の御堂の前で、完全に融合した二人は戻らない。
それより、自分の幸せを考えろって偉大な剣は言ったけど!。
『だから。結構ですってば! 今のままで、十分幸せだし!』
わたしは、はっきり『イヤ』だって言ったのに!
巨人のセイラは、最後までわたしの話なんて聞いちゃくれなかった。
まったく!
ビッグワールドのヒトビトって、長生きのくせに、どーしてそろいもそろってせっかちで、強引なんだろう!
わたし今、この状態でも、十分起きている気がするけれど。
この巨人に直接触れられれば『覇王に目覚める』らしい。
巨人は玩具の家具を持つように、片手で軽々とベッドとわたしを支え。
もう一方の手をそっと近づけて来た。
……怖い。
大きなサイズの巨人の手は、とても注意を払ってくれているから、大丈夫だけど。
この手に触れたわたしが、どうなってしまうのか知るのが、ものすごく、怖い。
巨人の手から逃げ出そうにも場所がなく、そもそも、ベッドから起き上がるのがやっとなくらいだ。
身動きなんて一つも取れないわたしが、唯一出来ること。
怖いことを見ないように、目をぎゅっとつぶったその時だった。
きっと世界中の誰にも、どんな軍隊にも、わたし負けない。
だから、その力を有効利用すれば、世界は平和になるのかな?
けれども、大きな力を持って、自分勝手に突っ走ったら。
ううん。
気に入ったどっかの誰かの味方になるって決めただけで。
色々なバランスを崩して、それこそ『世界を滅ぼす覇王』になりかねない。
『誰かと戦うなんて、絶対、イヤ』
呟くわたしに、巨人が笑う。
『戦う?
あなたは、この細腕で剣を取るのか?
花のような唇で、誰かへの罵声を紡ぐのか?
そんなことは、我がさせない。
覇王よ。
あなたの力は、そんなモノではないのだから』
『どういうコト?』
戸惑うわたしに、巨人は深々とため息をついた。
『……やはり、完全に目覚めたまえ、我が主よ。
昔日(せきじつ)を忘れ、無欲では、我もこの時代に蘇ったかいもなく。
あなたの力は、あなた自身がご存じのはずだから』
『わたしを何かに変えるより、お父さんと、0さん返して……』
『それは、無理だ』
覇王の御堂の前で、完全に融合した二人は戻らない。
それより、自分の幸せを考えろって偉大な剣は言ったけど!。
『だから。結構ですってば! 今のままで、十分幸せだし!』
わたしは、はっきり『イヤ』だって言ったのに!
巨人のセイラは、最後までわたしの話なんて聞いちゃくれなかった。
まったく!
ビッグワールドのヒトビトって、長生きのくせに、どーしてそろいもそろってせっかちで、強引なんだろう!
わたし今、この状態でも、十分起きている気がするけれど。
この巨人に直接触れられれば『覇王に目覚める』らしい。
巨人は玩具の家具を持つように、片手で軽々とベッドとわたしを支え。
もう一方の手をそっと近づけて来た。
……怖い。
大きなサイズの巨人の手は、とても注意を払ってくれているから、大丈夫だけど。
この手に触れたわたしが、どうなってしまうのか知るのが、ものすごく、怖い。
巨人の手から逃げ出そうにも場所がなく、そもそも、ベッドから起き上がるのがやっとなくらいだ。
身動きなんて一つも取れないわたしが、唯一出来ること。
怖いことを見ないように、目をぎゅっとつぶったその時だった。



