「もしもし?」
急にかかってきた電話。
相手は、凛。

「佑斗クンっ…莉音がっ、いないのっ。」

「いない…?」

「私と望、先生に呼びだされてて…戻ってきたらもう…いなくて…。
 どうしよっ、莉音に何かあったら…」

「っ、とりあえず校内中、探すぞ。」

「ウンっ…」

莉音…どこに行った?

走っているなか、ずっと思う。
見つけたとき…どうか笑ってて。

「佑斗、どうしたの~? 
 そんなに慌てて」

そうやって、俺を心配して…。
心配されるのは、俺で…莉音じゃなくて…。

なぁ…お願いだから。
無事でいてくれ…。