「え…?」
俺の言葉に、驚いたのか顔を上げる郁。

「で…お前は、俺に何がいいたいわけ?」

「…莉音は、あきらめない。
 絶対、奪うから。」

そう視線を俺にぶつけてくる。

「…宣戦布告ってヤツね…。
 わかった、けど…ホントに勝手に莉音の手だすのはやめろよ。」

「…ホント嫉妬深いんだね。」
そう言って、俺を見て少しニヤリとする郁。

「…それだけじゃねぇよ。」
そんな郁をにらみ、放った言葉。

「…ほかに何があるの?」

「…まぁ、そのうちわかんだろ。
 じゃあ、俺もう戻るから。」

そう言って、俺は郁に背を向け教室へ向かった。