「ねぇ、莉音。」

「何?」

「さっきの…ホントにからかいだと思った?」
そう言って、私を自分に近づかせ顔をのぞきこんでくる郁。

「え?
 もっもちろん…」

「やっぱり…。」

やっ…やっぱり?

「どっどういうこと?」

「あのね、僕がからかいであんなことするわけないじゃん。」

「ってことは…?」

「本気で、しようとしてたの」

「へっ?」
驚きの回答で、間抜けな声を出してしまう私。


「ねぇ、莉音…」
そう言って、私の手を握る郁。

「僕、ホントに莉音が好き。
 こうやって…手を出したいくらい」
切ない表情。

「っ…」
胸が締め付けられる。