深く進むほどに、ミュシャは混沌としていった。綺麗に舗装された道は枝分かれを重ねてその役割を忘れ、壁を這い登ったり、街路樹に巻きついたりするありさまだ。


現在地を確かめるすべも、無いに等しい。


道の途中、小さな広場がいくつかあり、そこでは地図つきの案内板を見ることもできるのだけれど、文字の解読は困難な上、町のいたるところがつねに工事中のようで、ほぼあてにできない。


案内にしたがって進み、壁に行き当たって戻ることを繰り返すうち、次第に見ないようになった。







 スピーカーは一時間ごとに鳴って仮面の列を呼び、そのたびに私は、笑い転げる群集に紛れ身を小さくしてやりすごした。











この町ではそうする必要はないと分かっていても、棍棒が容赦なくふるわれる様子を見たら、こそこそと隠れずにはいられなかった。