「これは残念!」 走馬灯の一つかと思ったが、聞き覚えの無い声だった。若い男のようだ。 「救う価値の無い、価値ある命をしていらっしゃる!」 私は我に返った拍子に、思わず口を開いてしまった。 しかし流れ込むのは大量の砂ではなく、熱い空気だった。柔らかいものが口を塞いでいた。 流れがさらに急になった。 その流れよりさらに速く、私は流された。 そして、 勢い良く太陽の下へ飛び出した。