砂の荒波にもまれて、全身が引きちぎられるようだった。 必死に目と口を閉じ、息をとめ、珊瑚のかけらとぶつからないように祈った。両手は相棒をしっかりと握りしめていた。 とてつもなく速く、力強い流れに逆らえない。自分の意志で身体のどこかを動かそうとすれば、その部分はたちまち破壊されてしまいそうだ。 かと言って、流されるに任せてもいられない。 砂で溺れてしまう。