十八回目の給水をむかえた折、私はエンから事の詳細を聞くことができた。



「自称ということは、バトラー・アルバートルは案内者では無かったのか」

「ある意味案内者だけど、あなたと私が探している『ミュシャへの案内者』じゃ無いわ。

あれの役割はたぶん、もとの世界へ帰すことね。

相当なペテン師よ。何せ、熟練の魔素使いを欺くくらいだから」





 ここまで来ると、砂漠は一段と様変わりしていた。


地面は相変わらず砂だが、巨大な桃色珊瑚が林をつくり、海の底のようだった。


明るく見通しの良い林で、私たちは軽い「夕食」をとった。




太陽は中天にあるが、もう夜だったのだ。