さらに給水を受けること六回。



砂の色が変わった。しまい忘れたバターのようだったのが、カワセミの羽のようになり、最後には地平線の空のわずかな部分を引き延ばしたようになった。



一面が青とも白ともつかない薄い色で塗り潰されてしまった。




 砂丘もまばらになり、ついには起伏が無くなった。
風紋も消えていた。





 砂漠にいるというのに、浅瀬を歩いているような気分だ。






「好きな景色だわ。どこまでも続く静かな浅瀬で、そぞろ歩きをしたり、服の裾を気にせずに走ってみたいと思ってたの」


「こんなときに、ずいぶんと余裕だな。
俺は不安でしかたないよ。あの小惑星みたいな爺さんといい、そのあとに起こった出来事といい、まるで分からないことだらけさ。
正直なところ、今も君の後ろについているだけなんだ」



「あの人たちも、そうやってあのお爺さんについて行ったのよ。
気が抜けてしまったのね。
今まで苦労して、自分の力であそこまでやってきたのに、最後に全部を任せてしまった。





あのお爺さん……自称『案内者』に」