魔素は、空気中に漂う微小の物質だ。


これを操り組み立てることによって、様々な現象を起こすことができる。


魔素の操作による現象を、人々は魔法と言った。魔法を使える者はあまりおらず、彼等は魔法使い、魔術師などと呼ばれる。



「火と風、土、そして水。魔素の種類はおおまかに分けてこの四つ。
魔法使いでも、人によって得意とする種類は違うわ。水の魔素操作を苦手とする人が飲み水を作ったら、その水は苦かったり甘すぎたり、思い通りの結果を得られないの」

「なるほど。ということは、君は水の魔法使いになるのかな。ありがとう、美味しい水だったよ」

「どういたしまして。いいえ、私は魔法は苦手よ。水が美味しかったのは、この砂漠のおかげね。ここの水の魔素、異常に濃いよ」



 エンの鼻は、この砂漠は空気からして普通では無いと告げたようだ。