「一時限目ってなんだっけ?」

「英語じゃない?」


英語か…
英語なら、ある程度予習は出来てるし…


「よし、寝よう」

「優等生のくせに寝る宣言してる」


菊香の言葉なんか聞こえない

菊香なんて、英語ボロボロのくせに寝てるじゃん
って、言ったら怒られるから言わないけど


「ねぇ、心菜…」

「な、何?」


菊香が私を見る

まさか、心の声聞こえた?


「指輪」

「は?」


指輪?ゆびわ?リング…?

私が疑問符を浮かべていると、菊香が私の左手を掴んだ


「コレ、指輪だよね?」


私の左手を持ちながら、菊香が言った

目線を自分の左手に移す…

私の左手薬指に
ピンクゴールドのシンプルな指輪がはまっていた


「…本当だ」


全然気づかなかった…