--1ヶ月前--
幼なじみの南葉悠【Haruka Nanba】と電話し終わったあと。
購買に向かってる途中……
あ、そういえば悠もよく悠【Yuu】って間違えられてる。悠も慣れたみたいだけど。
周りの友達からは初対面で必ず悠【Yuu】って呼ばれるからあだ名はゆぅ。
いつからか小さい頃から一緒にいるわたしも
ゆぅって呼んでる。
購買に行く途中に通りかかった普段は使われていない空き教室から妙な声がした。
「んっ い、やだ…!だ、れかっ!」
ここは女子高。
おかしいと思ってドアに近づくと、
「おい、声出すな!誰かに見つかったらどうするんだよ。わたしの教員生活が危ないだろう!?」
誰だよ。
わたしはドアを少し開けた。
そこには、無理矢理キスをされて脱がされる寸前で怯えている女子生徒と
女子生徒を弄んでにやにやしている気持ち悪い体育教師がいた。
『ねぇねぇ、なにしてんの!?こんなところで』
「「!」」
わたしは声を出した。
体育教師はわたしの声に相当ビックリしたのか手を離してこちらを見た。
女子生徒はホッとした顔を見せてその場に座り込んだ。
わたしはその女子生徒に近づいてブレザーの下に着ていたパーカーを渡して教室から出した。
女子生徒には、
「ありがとうございました。本当に助かりました」って言われた。
ほんとに無理矢理襲うつもりだったんだな。
わたしはそう思ってまだビックリした表情を見せている体育教師に近づいた。