悪女の恋〜偽りの結婚〜

「ん?」


「お仕事をがんばると、お帰りが遅くなるんですか?」


「ああ、そうなるな」


「そんな……」


 途端に結衣は泣きそうな顔をした。


「それはいかんよ、三島君」


「はい?」


「男が仕事一筋で家庭を顧みない。そんなものはもう古い! これからの社会は、仕事と家庭のバランスを取る。それが世間の常識であり、わが社もその方針なのだよ」


「はあ」


「ありがとう、パパ」


「いいんだよ、結衣ちゃん」


 うーん。俺はこの時初めて、お嬢様と結婚したんだという事を実感した。

 もしかすると、これから先の俺って、前途多難なのかも……

 ま、結衣が可愛いから、いいけどな。



- おしまい ー


最後までのお付き合い、ありがとうございました。
コラボしている『同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~』もお読みいただけると嬉しいです。

秋風月