世界の果てにあるとかないとか。

 大国、小国かずあれど、その大陸の端の隅、アムーニアには行けばわかる。

 アムーニアという小国は、かのラディナ大国の王都ほどの国土しかない。民を食べさせていくだけでやっとの貧しい国だ。

 だが、行けば、そこがアムーニアだとわかるのだ。

「世にも美しい王女のおわす国、アムーニア」

 語られ続け、もうかれこれ28年になる。

 それでも、大陸中の王子がこぞって王女に求婚する。

 そうして、王女は断り続ける。

 今日もまた、どこぞの国の使者が、形ばかりの王室の門を叩いた。