先生は「さっさと座れ」と 顎で合図した。 ねぇ、どうして? どうして新垣くんはあたしを かばってくれたの? 新垣くんは私に教科書を渡して 席についた。 それを見てあたしも急いで席に着いた。 ……新垣くんだけ後で怒られるなんて そんなの、だめだよ。 あたしが悪いんだもん。 新垣くんは、あたしを待ってくれてただけ 何の、罪もないのに…… 「ちょっと、どうゆう事?」 後ろから華音の声がした。 華音はあたしがトイレ行ってたって 知ってるから、不思議に思うのも 無理はない。