西郷は一人、目を覚ました。近くに木暮の姿が見えない。
奥のキッチンにもいない。
木暮の荷物は、傍らにあった。
「兄チャン、上かい」
西郷はそう言うと、足早に上っていった。
扉の前に立つと、ノックをせずにドアノブをガチャガチャと回したが、開かない。鍵が掛っている。
西郷は忙しくなく鍵穴を覗いた。息を殺して鍵穴から見回したが、誰かいるような気配は無かった。
「どこへ行ったんだ」
西郷は一階へ下りた。
窓に目を移すと、嘘のように霧が晴れている。
西郷は玄関から表へ出た。間違いなく霧は晴れていた。
西郷は一旦荷物を取りに行った。近くにあったパンを頬張って、急いで屋敷を後にしようとした。
「西郷さん、出発ですか」
ふいに黛が屋敷の傍らから声を掛けた。
西郷は心臓が止まりそうになった。
奥のキッチンにもいない。
木暮の荷物は、傍らにあった。
「兄チャン、上かい」
西郷はそう言うと、足早に上っていった。
扉の前に立つと、ノックをせずにドアノブをガチャガチャと回したが、開かない。鍵が掛っている。
西郷は忙しくなく鍵穴を覗いた。息を殺して鍵穴から見回したが、誰かいるような気配は無かった。
「どこへ行ったんだ」
西郷は一階へ下りた。
窓に目を移すと、嘘のように霧が晴れている。
西郷は玄関から表へ出た。間違いなく霧は晴れていた。
西郷は一旦荷物を取りに行った。近くにあったパンを頬張って、急いで屋敷を後にしようとした。
「西郷さん、出発ですか」
ふいに黛が屋敷の傍らから声を掛けた。
西郷は心臓が止まりそうになった。