「「有り難う御座います」」


薬を返して、架と二人、おじさんに向かってお辞儀をすると。


『いやいや気にせんと。

そげよりおまいさん等、どっか遠けん場所から来たと?』


不思議そうな目でまじまじと見られてしまった。



「ど、どうして分かるんですか!?」


その言葉に驚いて聞き返すと、それが逆に面白かったのか
おじさんは“わはは”と豪快に笑った。


『此処いらはもう皆昔からの顔馴染みけん、知らん人はおらんや。

見掛けん顔はすぐ分かっちゃる』



…らしい。



「そ、そうなんですか」



おじさんの笑い顔を前に、架と目を見合わせて
ただただ驚くばかりだった。