続く続く遊び。終わりはしない遊び。この家にいる事自体が遊び。


「今日はね、お姫様ごっこ」

「お姫様……ごっこ?」

「そう!薺がね、雛を着飾るの。今日は女の子らしい遊びでしょ?ほら、起きて」


声を弾ませて私を起こしに掛かる。力の入りにくい体ではそうしてもらっても、柊様に背中を預けてやっと座っていられる状態だった。

体がダルくて熱くて仕方がない。


「辛い?」


反抗出来る程頭も回らなくて素直に頭を下に振る。


「薺もね、同じ病気なの」


髪を撫でて透かして、耳元で囁く。


「びょ……き?」

「そう。人それぞれ進行速度が違ってね、薺は凄く凄く遅いの。小さい頃からの病気なんだよ」


病気。私も病気?


「伝染病みたいなものでね、この家にいる人は皆病持ち。先生もね」


だから、隔離屋敷。冷静な頭がそう結論づける。じゃあ、私はここから出れないんだ……