どれほど足を進めても行き着かない光を求めるのに疲れてしまい、その場に座り込む。


「どこ……ここ……」


呟いても返事など返っては来ない。

溜め息すらつけなくて、精神を磨り減らすばかりになっていた。

その時、すぐそこの曲がり角から白が飛び出してくるのが分かった。

誰かなんて愚問過ぎる。今まで見てきた中で一番怖い白だ。


「おはよう、雛」

「い……ゃぁっ!」


学習しない私は何度目かの逃げに走った。反射的に近い。大人しくしても悪夢。逃げても悪夢。気が狂ってしまいそうだった。


「だから、何で逃げるかなぁ?」


後ろから聞こえる呑気な声に返事など出来ず、来た道を逆走し始めた。