危険を感知したけれど、逃げられはしないだろう。

村の掟は絶対。絶対は村の掟。

だからこそ、問う。


「な、何をして遊ぶのですか?」


自然と声が震える。

それと比例するかのように弾む顔と声。


「かくれんぼ!」

「かく……れんぼ?」

「そう。薺が30秒数えるから雛は隠れるの。今から開始だよ」

「……え?あ「ほら、いーち」」

「っ、」


カウントが始まった瞬間、疑問も何もかもを置き去りにして走り出していた。

長い長い、冷たい冷たい、廊下を。