目指すのは出口只一点。村に帰ってこの事を話し、椿くんを助けてもらう。

その間出来るのは願うだけ。無事でいて。と。そして謝る事だけ。

方向も分からずに闇雲に走り、廊下を抜けて見えてくる玄関口。

光が見えた瞬間、そこに向かって突撃するかのような勢いで突っ込んだ。が、


「なん、で……?何で!?」


いくら引き戸を引こうとも扉はガタガタと言うばかりで開いてはくれない。

焦りが私に襲い掛かる。

ガタガタ、ガタガタ。それが、その音がいけなかった。


「ひっ……!」


不意に肩に手が置かれた。