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仲良しの同い年の雛。その雛は、村の掟に選ばれてしまった。

掟に選ばれたのは雛なのだから僕が干渉してはいけないのは重々承知だった。

けれど、どうしても気になって雛が連れて行かれた後、僕は村の書物庫に来ていた。

書物庫は何年も使われていないようで埃だらけになっていて、思わず息を吸い込んで咳き込んでしまう。

着物の袖で口元を覆いつつ、村の歴史に関する書物を探した。


『村の周辺について』

『災害について』

『出生と死亡者』


……

……


「『村の歴史』……これだ」


並んだ書物の中から選びとり、埃が舞うのも構わずにパラパラと捲って目を通していく。


「……?」


おかしい。