心臓を握りつぶされたような感覚が襲ってくる。苦しい。痛い。

ペタンとその場に尻餅をついた。恐怖の対象を目に映しながら必死に心の中の私が悲鳴を上げ、助けを呼ぶ。


「ぁ……ぁぁ……」


肝心の外の私は枯れた声しか上げることができない。

それどころか体は後ずさりを始め、押し入れの中へと舞い戻る。


「あれ?何か怯えてる?」


不思議そうに首を傾げる柊様は私の後を追うように両の手をついて近づいてくる。

静かな息遣いだけが二人の間に聞こえた。

まだ近くなる。まだ。まだ。

ギュッと目を瞑る私の耳のすぐ傍で鬼が囁いた。


「怯えなくていいよ。遊びに負けたら、貰うだけだから」

「ひ、ぁ……何、を……?」

「……雛の右腕」


鬼は嘲笑い、私の右腕に……

手を、置いた。