「先生、卓弥達準備できたそうです」 背後から隆介が声をかけた。 俺は、控室代わりの荷物置き場で、濃い目のカクテルを飲んでいた。 「お、そうか。わかった」 俺は残りのカクテルを飲み干し、深呼吸をした。 最近ずっとアイツらのことばっかり思い出してしまう。 親心だよ、本当に。 ボロボロになったたっくんの姿を思い出すと、泣けてくる。 よくここまで頑張ったなって、抱きしめたくなる。 恥ずかしいからしないけど。