「あの人独身かな~。後で声かけようっと」





また声が聞こえる。




声かけるなんて・・・・・・お願いだから、やめて。




普段から、先生はモテるんだろうなって思ってるけどこういう場面を目の当たりにすると、へこんでしまう。







「あの人、結婚してますよ~」



と依子がサラッと言ってくれた。





そのグループの人達は、な~んだと言って、ため息をついた。








ゆかりとたっくんが入場するまでの間にしばらく時間があった。





頭から恵さんのことが離れなかった。




と同時に、荒木さんやその他の先生を想っていた人のことを考えてしまった。





私が先生と幸せになったことで、悲しい想いをした人がいる。




だからこそ、私は幸せでいないといけない。




先生がモテるからってそんなことで落ち込んだりしていちゃだめだよね。



先生の奥さんになれたんだから。



もっと、ドシっと構えていないと。