「中田と話さなくていいのか?」




先生はゆかりの方を見ながら言った。




「話したいけど・・・・・・」



「泣きそうなんだろ」



「うん」



「泣けばいいんじゃない?中田も待ってると思うよ」






先生が好き。



先生に手を繋がれて、私はゆかりの元へ。






「よぉ、たっくん。どうだ?今の気分は」




先生はたっくんの肩に手を回し、顔を近付けた。




「先生~!やっと来てくれた!さっきはありがとうございました。俺、感激しちゃったよ」





「ありがとう!先生。私も感動した!!」





ゆかりは私の手を握りながら、先生にお礼を言った。





「先生、俺のこと親友とか言ってくれたじゃん?」




たっくんはキラキラした瞳で先生を見上げた。



たっくん、いい顔してる。





「ん?俺、そんなこと言ったっけな?」





トボける先生の腰に、たっくんがパンチを入れる。






このふたりを見ているとホッとするなぁ。





いいな、このふたり。