「何、涙目になってんだぁ?」




空を見上げた私の視界に、先生の顔が入り込む。




「ふふ。いろいろあったなぁって思って」




「そうだな。本当に・・・・・・親の気分だよ」




先生は腕組みをして、空を見上げて息を吐いた。






「好きだよ。せんせ・・・・・・」




口から自然に出てしまった言葉。




先生は空を見つめたまま言う。






「お前の言葉が、俺の力になるんだよ」






いつもなら、俺も好き~って言う先生なのに、今日はちょっと違う。




スピーチ、緊張してるのかな。






「何?もしかして、俺も好きって言って欲しかったぁ?」



といじわるなことを言う。





「そんなこと知ってるもん」




「とか言って・・・・・・言って欲しいんだろぉ?」






さっきまでの真面目な先生はどこへやら・・・・・・



「・・・・・・好き」




私の耳元で、思いっきり甘い甘い声でそう言ってくれた。





わかっていても、やっぱり嬉しい。




何度言われても、何百回言われても、嬉しい。