「最後に・・・・・・たっくんから、ゆかりさんに渡すものがあるそうなので・・・・・・」




みんながザワザワとした。



渡すもの?



聞いてないよ、私。




立ち上がるたっくん。



うつむきながら、先生の横に立つ。




マイクの前に立ったたっくんが、鼻をすする。






「あの・・・・・・実は、何ヶ月も前から新垣先生と一緒に四つ葉のクローバーを探してたんです。僕とゆかりにとって、とても大事なもので・・・・・・あの・・・・・・」





涙が溢れて、たっくんは鼻を押さえた。



先生が話し出す。





「たっくんとゆかりさんは四つ葉のクローバーを見つけることができたら結婚しようと約束をしていたそうなんです。でも、なかなか見つからなくて、もう四つ葉のクローバーがなくてもいいから結婚しようと、プロポーズをしました。だけど、たっくんの心の中でやっぱり見つけたいという想いが強く、僕と一緒に何度も探しに行きました。そして・・・・・・見つけることができました。見つけたのは、実は・・・・・・3日前です」





拍手が・・・・・・



ものすごい拍手が起こった。




ゆかりはもう号泣で・・・・・・



知らなかった。





先生とたっくんは何度も会っていたけど、クローバーを探してたんだね。






先生、大好き。



信じられない。