「他のカップルにはここだけは絶対に負けない、という所がありますか?」




「そりゃあ・・・・・・妻を想う気持ちでしょう。ふふ。あとは、信頼関係。それと、妻が俺に今でもキュンキュンしてくれている所かなぁ??」




先生ったら、何を言うの??



恥ずかしくて、ただただうつむく私・・・・・・





「え~、そうなんですか!?奥さんは先生のどこにキュンキュンしてるんですかぁ?」




宮崎さんはニヤニヤしながら私にマイクを向ける。





「え?あ・・・・・・疲れた顔で帰って来た時とか・・・・・・ネクタイ外す時とか、美味しそうにご飯食べてくれた時とか・・・・・・車の運転をしている横顔とか、ですかね・・・・・・」




笑いが起こっていることに気付いて、私は自分がおかしなことを言ってしまっていることに気付く。




そうだよね。ネクタイ外す仕草にキュンキュンするなんて、結婚しているのにおかしいよね。





「奥さん、超おもしろい!!他にもあるんでしょ?教えてください」




戸村さんに乗せられて・・・・・・




「寝ぐせのついた髪とか、剃り残したヒゲとかも、好きです」





私ったら何言ってるのぉ??



でも止められないんだもん。




全校生徒の前で、こんな変な発言しちゃって、先生はどんな顔をしているんだろう。



と、先生を見ると、



お腹を抱えて笑っていた。





「恥ずかしいだろぉ~」



と先生は私の頭をコツン。





「あ、今のも奥さん的にはキュンとしたんじゃないですか?」




宮崎さんにそう言われて、私はうんうんと頷いた。







会場が温かい雰囲気に包まれていた。




私は、幸せいっぱいだった。



みんなの前で堂々と言えた。



好きだと。


キュンキュンしていると。





先生を愛してる。



出会った頃よりもずっとずっと愛してる。




ちゃんと伝えることができた。