「奥さんに会って、思ったんですけど、やっぱり新垣先生の奥さんだなって。奥さんがいるから、今の先生がいるんだって思います」
戸村さんがしみじみとそう言った。
「生徒と真剣にぶつかり合ったり、本気で心配してくれたりするのは、家に落ち着ける場所があるからなんだろうなぁって思います」
「それは昔から変わってないと思うよ。私が生徒だった時から熱い先生だったし」
昔から、真正面からぶつかってくれた。
いつも真剣だった。
「でも、先生が言ってました。俺は結婚してから変わったって。私の家に来てくれていた時に一度語り合ったんです。内緒ですよ。今までは守るものもなかったし寂しかったって。だから必死で教師として頑張るしかなかったって。でも、今は愛する人がいてその人の為に頑張ってるんだって言ってて、感動したんです」
そんなこと・・・・・・言ってくれたんだ。
知らなかった。
私は、両手で自分の頬を押さえた。
赤くなる頬を隠すために。
「奥さんは、俺が頑張ってる姿をいつも見ていてくれる気がするんだって言ってました。だから、昔とは違うって。だから、多分今の先生は奥さんが生徒だった頃よりパワーアップしてると思いますよ!!」
話せて良かった。
今の先生を私は知らない。
あの頃も、最高に素敵な先生だった。
熱くて、曲がったことが大嫌いで。
何よりも生徒の気持ちを大切にしてくれる先生だった。
今は、もっと素敵な教師になってるんだね。
「ありがとう。なんだか、感動しちゃった。知らなかったから・・・・・・嬉しい」
「奥さん、かわいすぎ!!絶対優勝してくださいね」
そう言って、ふたりは私に握手をしてくれた。

