コーヒーとドーナツをテーブルに並べた。





「どした?誠人。ちょっと疲れてねぇか?」




「疲れた顔してる?ちょっと寝不足だけど、心配ないよ」





ドーナツの食べ方が先生と同じだった。



そのままかぶりついて、その後は半分に割る。





唇にドーナツをくっつけた誠人さんを見て、先生は笑ったけど、先生の唇にもドーナツがついていた。



似てるね、やっぱり。







よくよく話を聞いてみると、彼女の花帆さんとの結婚がなかなか進まないことに悩んでいるらしい。




結婚願望なんてなかったのに、と照れ臭そうに誠人さんは笑った。







「愛花と最初に会った時は2歳だった。今では俺を本当の父親だと思ってるみたいに俺に懐いてくれてるんだよ」





思い出すなぁ。




花帆さんと愛花ちゃんと会った日のこと。






誠人さんの優しい眼差しにキュンとしちゃった。




本当に心から大事なんだなって見ていて感じたんだ。




花帆さんはもちろん愛花ちゃんのことも愛している瞳だった。