「じゃ、吉田!仕事頑張れよ」
「うん!!先生も学校頑張ってね」
朝からすがすがしい気持ちで出勤した。
直のおかげで、すべてがいい方向に回り出した。
どんよりした空の下、俺の心は晴れやかだった。
季節はもう梅雨。
いろんなことがあった忙しい春。
春はもう過ぎ去ろうとしていた。
吉田のことも解決し、戸村と宮崎も少しずつ心を開き、今では一緒に登校するようになっていた。
問題がないわけではない。
予想していたことだが、宮崎への嫌がらせが始まった。
友達だった子が集まって、宮崎を非難し始めた。
学年集会の数日後から始まり、今でも終わったわけじゃない。
でも、宮崎は明るい笑顔で言う。
“さやかと友達に戻れたからそれでいいんだ”って。
宮崎を見ていて思った。
誰かひとりだけでも自分のことを本当に理解してくれていれば、人は生きていける・・・・・・と。
戸村にはそんな存在がいなかった。
ひとりぼっちだった。
でも、今の宮崎には戸村がいる。
宮崎と戸村は、きっと一生親友でいられると俺は思う。