「あ、奥さんの前で先生って呼ぶの失礼だよね。どうしよう」





「いいよ。先生で。だって、先生は先生だもん。本当に気にしないで」





先生とも話し合った。




すべてがわかった今、もう先生って呼ぶことに抵抗はない。





「本当に?ありがとう!!」





もっと早くこうしてわかり合えていたら・・・・・・


あんな想いをせずに済んだのに。




お互いに。







「先生のこと好きだったのに、隠しててごめんね。好きだったって言うと、今も好きだと思われそうで怖かった。信じてもらえないかもしれないけど、今は好きじゃないの。どう説明していいかわからないんだけど・・・・・・好きとは違って・・・・・・昔の片思いの後片付けをしているって感じ。わかる?」






「うん。わかる。何となくわかる。気持ちの整理をしてるって感じ?」





「そうそう!!先生に全部聞いてもらえて、私の片思いがやっと終われるって思ったの。本当に、最悪な隣人だったでしょ?怖かったよね。ごめんねぇ」






田辺さんは何度も何度も謝ってくれた。





その、ごめんに嘘がないと思えたので、私もいつか心から許せるような気がした。




時間がかかるかもしれないけど、いつか良い思い出になる日が来る。




美穂とのことのように。




美穂が先生を好きかもしれないと言った時は、もう友達でいられないと思った。



だけど、今はもう・・・・・・思い出になったから。