「でも、昔好きだったとしても面と向かってそんなこと言えないよね」



と直は笑った。






「そりゃ、そうか」




「でも、もう変なこと言って来ないんじゃない?ありがとう」






直は、あっさりとその話題を終わらせた。





そして、俺の学校での話を聞いてくれた。







俺にはわかる。



直のことをずっと見てきたから。



いつもそばにいるから。



わかるよ。






本当は、全然納得なんてできていないんだろ。




俺の教え子であったとしても、そこに何もないなら、隠したりしない。





“新垣先生じゃないですか?”ってすぐに言うはずなんだ。




そのことを、直も気付いている。



だけど・・・・・・


納得したフリをして。



俺を助けてくれようとしている。




俺の負担を少なくしようと・・・・・・



平気なフリをしてるんだ。