駐車場の街灯の電球が切れかけていて、おかしな音が響いていた。




カチカチ・・・・・・カチ・・・・・・






「ごめんなさい。友達が・・・・・・先生のこと好きだったの。ずっと・・・・・・」




話し方が変わった。



田辺じゃなく、吉田に戻ったという感じ。



吉田のことも知らないけど。





「それで・・・・・・ずっと先生のことを聞いていたのでよく知っていました。でも教えてもらったことないから、知らないフリしようと思って。ごめんなさい。別に変な意味はないんです。新垣って名前だったから、もしかして?と思って、奥さんにいろいろ聞いただけで・・・・・・」





「俺もすぐに思い出せなかったから」




やっと目が合った。



教え子だとわかって、こうしてじっくり見てみると、確かに見覚えがある気がした。





「ごめんなさい。別に先生のことをあれこれ調べたりしていたわけじゃないんです」




「そうか。わかった。すまん。じゃあ、これからはお隣同士、気持ち良くお付き合いしような」








これ以上何を言っても無駄だと思った。





本当のところはわからないけど、これで解決できるならもういい。







「あの・・・・・・うちの主人には内緒にしてもらえますか?お願いします」







内緒にする意味もわからなかったが、俺は静かに頷いた。




それで、大人しくなるならそれでいいと思った。





直を苦しめないでくれればいい。








「奥さんに謝っておいてください」





「いや、別に妻は何も思ってないから。気にしないでくれ」