「今日、時間があったから昔の卒業アルバムで探してたんだ。そしたら・・・・・・直の2学年上だった。名前は違ったけど、顔は変わってなかった。俺は多分直接教えたことはない。でも、向こうは俺を知っていると思う」




「そっか・・・・・・そうだよね。うん。思った通りだね」





「ごめんな、直」





先生は悪くない。



何も悪くないよ。




「謝らないで、先生」





「でも、やっぱり・・・・・・俺に対して何かあるから、あんなことするんだと思う」





ショックだったけど、納得ができた気がする。




何もなかったら、あんな失礼なことできないもん。



先生のこと、好きだったのかな。






「これからどうすれば良いのか、俺もよくわかんねぇんだ。いろいろ考えたんだけど」





「そうだね・・・・・・でも、教え子だってこと、気付いて欲しいのかもしれないよ」





「やっぱりそうかな。う~ん・・・・・・ じゃあ、もう一回話すしかねぇな」






嫌だけど、このまま、何もなかったようになんてできない。



田辺さんは、最初から先生のことを知っていたのに、知らないフリをした。