「あとは、戸村と話すだけだな」





保健室には何度か来ている戸村さん。




先生が話そうとしても、なかなか心を開いてくれない。






「1年の時はいろいろ話してくれたのに」



と、先生は切ない表情で、私を見た。






頑張ってるね。


先生・・・・・・





私は、先生の頬を両手でそっと包んだ。






頑張りすぎないでね。



先生、ちゃんと休んでね。




体も心もちゃんと休ませてあげてね。







「充電してくれたのか?」





先生は、私の真似をして、私の頬を両手で挟む。




そして、ゆっくりと唇を近付けた。







「ありがと」





触れ合う唇。




何もかも伝わった気がした。




学校での先生は見えないけど、全部わかるような、そんな感じ。







すごいね。



キスって。