夏頃だったと思う。




ホームルームで目が合うことがなくなった。



学校をよく休むようになった。




一番仲が良かった子とケンカをしたようだと他の生徒が教えてくれた。




ケンカの原因はよくわからないが、戸村が一番傷ついたのは、“死ね”と言われたことだった。




言った本人に話を聞くと、そんなことを言った覚えはないと言った。



そんなものなのかもしれない。


言った方は、軽い気持ちで。


でも、言われた方は一生引きずってしまうような。






死ねと言われてから、人間不信になり、誰とも話したくないと思うようになった。




他の友達もいつか裏切るんじゃないかと不安になった。




それから、戸村は誰にも心を開かなくなった。




だんだん友達が減っていき、いじめの対象になるようになった。




本格的にいじめが始まったのは、今年に入ってからだと戸村は言った。





いじめの首謀者は、死ねと言った生徒だった。




他の生徒からそう聞いて、その生徒に何度も話をしたが、“私は何もしていない”と言うばかりで何も聞き出せなかった。




そのまま、春休みになり・・・・・・



何度か家にも行ったが、ちゃんと話ができていない。