「人の心の中と同じかもしれないな」



先生は目を細めた。





「笑っていても、心のどこかでは悩みを抱えているかもしれない。幸せそうに見えても、100%幸せな人なんてなかなかいない」





教師の顔してる。



先生、好きだよ。





「そういうことを考える先生が好き」






「直のおかげなんだよ。さっき、直は空を見て言っただろ?同じ空なのに不思議だねって。そんなことを感じられる直がすごいんだよ」





先生は私の頭に手を乗せた。






「先生に出会ったからそういうこと感じるんだと思う」




「違うよ。直はずっとそうだった。俺は知ってるよ」






違うよ。




私は先生に恋をして、空が毎日違う表情をしていることに気付いたんだ。