〔郁斗side〕 気づけば1時間過ぎていた。 少し見に行くか。 教室から出ようと、席を立つとドアが開いた。 「柚衣…?」 「あ…ごめん。歩希です」 「…はぁ」 俺はため息をつき席に座った。 「柚衣知らない??」 「知らない…。どうかしたの??」 「知らないならいい」 「ねぇ、郁斗」 「帰れ」 「…え?」 柚衣を待つ。 こいつとだけはいたくない。 柚衣が帰ってきたときに、 絶対に傷つくと思うから。