で。


あたしは、そんなに会っていなかった。


部活もコンクールが近くて休めなくなったし、
郁斗は先生の誘いがあって
生徒会に強制的に入れられた。


だからすれ違いばっか。


「はぁ…」


「ため息ばっか」


「遥と違って停滞期なのーっ」


「柚衣ー…」


遥は楽器のチューニングをするとあたしを見た。


「早くチューニングして。
で。基礎練から始めるよ」


後輩にも言うと、
遥は、楽譜を取りに部室に行った。