司のおかげもあって、案外早くプリントは終わった。 家にも無事に帰れて、今からお風呂に行く途中。 ぐーっと腕のストレッチをする。 「これ、どうします?」 「ホントよねぇ...」 家政婦さんたちが集まっていた。 不思議に思い近づいてみる。 「どうしたんですか?」 「歩さんっ」 いきなりだったから、少し驚かれた。 「実は、この手紙宛先が書かれていないんですよ」 家政婦さんの手には、白い封筒。 手に取り確認する。 宛先もなければ、差出人の名前もない。