不意に視線を椎へと向けた。 「そうなの。今までウィーンにいたんだから」 「ウィーンつーと、オーストラリア?」 「違うわよ。オーストリアっ」 「知ってたっつーの」 楽しそうに会話している、2人の姿。 何よ。美咲さんが綺麗だからって、デレデレしちゃって。 仕方ないか。 男ってそんなもんだし。 「はぁ」 どうにもならない溜息が零れ、 「どうしたの?」 椿くんに不思議がられた。