1人で思い上がっちゃってた。 どんなに近くにいても、あたしは所詮他人。 家族の輪の中には入れない。 椎のバカ。 この手、離すなって言ってたくせに、自分から離してんじゃん。 あと、司のバカ。 期待させるようなこと言っといて...。 静かにジャケットを脱ぎ、丁寧にたたむ。 テーブルの上に置くと、キョロキョロと辺りを見回す。 標的を見つけると、手首を掴み荒々しく会場から出す。