意を決して玄関に向かっていると、自室に置いてきたケータイの着信音が聞こえてきてしまった。


まったくどこのどいつなの?!


あたしの決意に水を差すやつは……


ムシしようかとも思ったけれど、リクかも?という期待もあってベッドの上に放置してあったケータイを握った。



『風邪でもひいたか?何とかは風邪ひかないって言うけどアレうそだな』


「そんなこと言うためにわざわざ?」


『仕方ないだろ?一応担任だからさ』


「面倒臭さ全開ですね」


『明日は学校来れるんだろうな?』


「さぁ?どうでしょ」


『声。元気そうだな』


「・・・・・・」


業とらしく咳なんぞしてみる。


『一人で大丈夫か?』


「はい……ゲホ……従弟もいてくれるので……ゴホ。それでは」