あれだけ帰らないと駄々をこねていた早苗さんが身支度を始めた。
それはもう驚くほどの早業で。

待たせていたタクシーに逃げる様に乗り込み、僕と柏木はそれを見送るだけだった。


小山内さんの横には当然のように史也がいて
小山内さんの呼びかけに姿を見せたのは・・・

瑠璃ちゃんだった。


どうしてここに?


いや、そんな事より
瑠璃ちゃんとの約束を破った男が、別の女と一緒だったなんて
彼女の目にはどう映っただろう?


信用出来ない男。
そう思われても仕方ない。