あれから程なくして、私は自宅に戻った。

両親に流星さんと付き合っている事を話し、家元には連絡して縁談を断った。
それから、流星さんが挨拶に来てくれて、私も流星さんのご両親の元へ挨拶に伺い、とんとん拍子に話が進んで行った。


ケンさんはしばらく会社を休んだ。

リカさんと正式に離婚して、住んでいたマンションも解約すると云う。
そして、本人のたっての希望で、別の部署に異動する事になった。

異動先…それはシアトル。

本場の動向を把握し、本社に伝える重要な役割。
とはいえ、スターダスト・カフェはシアトルに店舗はないから、仮事務所を開くところからのスタートだ。

「心機一転。一から出直すのにピッタリだ」

そんな風に笑って話すケンさん。

そして・・・
そんなケンさんを見送る為に、私たちは今、空港に来ている。