「や…っと見つけた」 「え?」 上から誰かの声が降ってきた。 誰? と思い、目線だけ上を見てみると… 「ぅわっ!! しょ、翔っ?!!」 「探したんだよ。悪い、ちょっとコイツ、借りる」 そこには少し息を切らした翔がいた。 探したぁ? 何でまた私を? 「は、はい…」 「さんきゅ。じゃ」 「えぇ!? ちょ、ちょっとぉ!!」 美菜が翔に見とれながら返事をすると、 翔は私の腕を掴んで全速力で走りだした。