「…莉亜(りあ)か。どーした? 迷ったか?」



「ううんっ、ゴメン。呼んでみただけなの。迷ってないよ~だ。じゃあ、私先生に呼ばれてるから行くね!! 今転入手続きしてるから」



「おー。じゃーな」



「うんっ」




そして莉亜は、俺に満面の笑みを向けると、背を向けて、小走りで職員室のほうへ行った。




緩いカールがかかった、茶色いセミロングの髪を揺らして。