俺様王子のお気に入り






…は?



シーン、と、しばしの沈黙。


固まったままの私と、不敵な笑みを浮かべる神崎翔。



思考停止していた私の脳が、今言われた言葉の意味を理解し…って、はぁ!?



「はぁぁぁあ――!!!??」



廊下に響いた私の大声に、神崎翔が耳を塞ぐ。


私は意味が分からない神崎翔の言葉に、疑問マークが頭を洗脳していた。


「うっせぇな、耳元で大声出すんじゃねぇよ」



「いやいやいや、おかしいでしょ」



「何がだよ」



「あんたのお気に入りって何よ!!」



「そのまんまの意味だろ」



「わかんないから聞いてるんじゃないのよ!」




シーンとしていた北校舎が、一気に私と神崎翔の言い合いの声で騒がしくなる。



「だーかーら」




まくしたてる私に、深いため息をつきながら、神崎翔は言った。



ため息つきたいのはこっちだっつーの!!